※2020年9月7日現在
2児(3歳、0歳)の親である私も実際に読んでみました。
子育てベスト100には、子育てに関する知識が幅広く書かれています。
一方、各項目が広く浅く書かれているので、より深い知識が知りたいなら、本の中で紹介されている参考書籍を読んだ方が良いです。
しかし、冒頭で著者はこのようにも言っています。
確かにこれはその通りで、(特に初めての)子育てをするときにネットで検索すると、読み切れないほどの情報が出てきます。
対して本書では、著者の様々な取材、経験から、膨大な「研究成果」の中でも最も有用な情報だけを伝えてくれています。
子育てに関する本はたくさん出ているけど、どれから手をつけていいかわからない人
また、本書では各項目の解説の後に、「〇〇をするにはどうすればいい?」といった、具体的なアクションまで書かれているのが特長です。
このあとの本文の中でも3点ほどピックアップしてお伝えしますが、読んですぐに実践できるようになっています。
この本の読み方、活用の仕方として
- 子育てに迷ったらまずはこの本を読む
- 自分の悩みに当てはまりそうな項目があったら、そこで紹介されている本を読む
という流れで知識をつけていけば効率的です。
それでは本の口コミ、内容を紹介していきます。
子育てベスト100の概要
「子育てベスト100」というタイトルの通り、子育てをしていく中で悩まされそうな問題、その解決方法が全部で100個書かれています。
書籍名 | 子育てベスト100──「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり |
---|---|
著者 | 加藤紀子 |
出版社 | ダイヤモンド社 |
出版日 | 2020/6/11 |
ページ数 | 344ページ |
ISBN | 9784478107911 |
著者情報
著者の加藤紀子さんは、さまざまなメディアで取材してきた経験を持っていて、その経験がこの一冊にまとめられています。
1973年京都市生まれ。1996年東京大学経済学部卒業。国際電信電話(現KDDI)に入社。その後、渡米。帰国後は中学受験、子どものメンタル、子どもの英語教育、海外大学進学、国際バカロレア等、教育分野を中心に「プレジデントFamily」「ReseMom(リセマム)」「NewsPicks」「ダイヤモンド・オンライン」などさまざまなメディアで旺盛な取材、執筆を続けている。一男一女の母。
出典:子育てベスト100
本書の中でも、
「脳科学者〇〇の調査では、〇〇ということもわかっています」
というように、主張の根拠となる情報がしっかり書かれていて、いろいろな分野の方に幅広く取材されていることがわかります。
子育てベスト100の内容
本書に載っているベスト100は、出版元のダイヤモンド社のホームページにも掲載されていますので、↓に転記します。
- 子育てベスト100 ※クリックで開きます
- SECTION1 コミュニケーション力をつけるには? 早くから「言葉のシャワー」を浴びせてあげる
- 01 「対話」をする ── 質問・反論で考える力を磨く
02 「聞く力」を身につける ── 学力にもつながる大事な能力
03 子どもの話を聞く ── 否定せずに言葉を引き出す
04 「ごっこ遊び」をする ── 遊びでさまざまな力を身につける
05 「スキンシップ」を大切にする ── 脳にも心にもいい「やさしい刺激」
06 叱る ── 叱るときは具体的にわかりやすく
07 「根拠のない自信」をつける ── 強く生きていくための大切な力
08 「読み聞かせ」をする ── 集中しなくても気長に読めばいい
09 「楽しい週末」を過ごす ── 週末の交流で多様な価値観に触れる
10 「しぐさ」を読みとる ── 体からのメッセージを拾ってあげる
11 話を「しっかり」と伝える ── どんな言い方がいちばん伝わる?
12 「ケンカの仲裁」をする ── ケンカも学びの場にできる
13 「感情」をコントロールする ── コミュニケーションの核となる力
14 「スマホのルール」をつくる ── 依存のリスクから子どもを守る
15 「家族会議」を開く ── 子どもと話す機会をつくる
16 「挨拶」をする ── 義務ではなく、楽しめるように
17 「プレゼン力」を鍛える ── うまく話せる「型」を手に入れる
18 「手本」を見せる ── 親も子どもと一緒に成長する
- SECTION2 思考力をつけるには? 「考えるチャンス」を最大限に増やす
- 19 「好きなこと」を見つける ── 機会がなければ見つからない
20 「観察眼」を磨く ── 生まれながらの能力を伸ばす
21 「オープン・クエスチョン」をする ── 「WHY」「HOW」「IF」を上手に使う
22 「考えるきっかけ」をつくる ── 思考をうながす言葉がけとは?
23 「失敗」を成長の糧にする ── 信じて自分で立ち直らせる
24 「深掘り」の意欲を伸ばす ── 成績より過程に注目する
25 「アナログ」のゲームで遊ぶ ── 夢中になりながら頭を使う
26 「金銭感覚」を身につける ── 自己管理を体験する
27 「やり抜く力」を養う ── 努力と情熱がものをいう
28 「男女の違い」に対応する ── 特徴を知って能力を伸ばす
29 「子ども扱い」しない ── 子どもに「敬意」をもつとは?
30 「思考」を掘り下げる ── 「デザイン思考」を体験する
- SECTION3 自己肯定感をつけるには? 変化に強い「折れない心」をつくる
- 31 「良質な睡眠」をとる ── 日本の子どもは睡眠が足りない
32 「多様な視点」を手に入れる ── ひとつの正解だけをめざさない
33 「自制心」をもたせる ── 自分を抑える技術を知る
34 「レジリエンス」を鍛える ── 強く生きていける「心の筋肉」
35 「感謝の心」を育てる ── 心を豊かにする感謝のスキル
36 「なんでも言える環境」をつくる ── 勇気をもって甘やかす
37 家族の「一戦力」にする ── まかせて、感謝する
38 「習い事」をする① ── 習い事を選ぶ
39 「習い事」をする② ── スケジュールをゆったり組む
40 「習い事」をする③ ── お金のやりくりをする
41 受け入れる ── 無条件で認めてあげる
42 決めつけない ── 「値踏み」で可能性をせばめない
43 押しつけない ── 「いい距離感」で接する
44 「家族旅行」をする ── 成長に大切な非日常体験
45 「小さな喜び」を味わう ── つらさに打ち勝つ「お楽しみの貯金」
46 「強み」に注目する ── 注目すれば伸びていく
47 「生き物」を飼う ── 「お世話」でやさしい心を育てる
- SECTION4 創造力をつけるには? 柔軟な脳にたくさんの「刺激」を与える
- 48 「楽器」を習う ── 楽しんで創造力を伸ばす
49 本物を「体験」する ── 体を動かして五感を刺激する
50 「型」にはめない ── 口をはさむのをぐっとこらえる
51 「ゲーム」とつきあう ── ゲームをコミュニケーションに生かす
52 「好奇心」を伸ばす ── 親自身が「ワクワク」を追求する
53 「肯定表現」で話す ── ネガティブな思考を切り替える
54 「アート」に触れる ── 気軽にいろんな感想を語る
55 「没頭」させる ── フローに入るのを邪魔しない
56 つくる&試す ── 手を動かしながら答えを見つける
57 「想像力」を豊かにする ── いまの「無駄」が将来の力になる
58 「瞑想」する ── 親子でやれば楽しくできる
59 「ぼーっ」とする ── 子どもは意外と疲れている
60 「本」で囲む ── 読書は地頭をよくする万能の習慣
61 「落書き」をする ── 脳の非集中モードで創造力がアップ
- SECTION5 学力をつけるには? 効果的なフィードバックで「やる気」を引き出す
- 62 子どもの「タイプ」を知る ── タイプに合わせて学習法を選ぶ
63 「算数力」をつける ── 楽しみながら数字を身近にする
64 一緒に「計画」を立てる ── 計画立案で実行機能を伸ばす
65 書く① ── 書くことを「好き」になる
66 書く② ── 「日記」をつける
67 書く③ ── 「文章の型」を知る
68 勉強を「習慣」にする ── 無理なく楽しく続ける方法
69 「プログラミング」を学ぶ ── 試行錯誤で頭を鍛える
70 くりかえす ── 変化と負荷を上手に加える
71 「語彙」を増やす ── いろんな理解をラクにする基本の力
72 「無駄」を削る ── 勉強を合理化して「余裕」をつくる
73 「英語」を身につける ── 英語を「遊び道具」にしてしまう
74 子どもに教わる ── 人に教えると「知識」が頭に入る
75 時間をあけて「復習」する ── 覚える科目に最適の方法
76 ほめる ── 何をほめるかで大きく変わる
77 「フィードバック」する ── ポジティブに課題を伝える
78 「優先順位」をつける ── やることリストで行動を整理する
79 「音読」する ── 間違ってもいいから「楽しく」読む
80 「ごほうび」をあげる ── モチベーションを上げる報酬
81 「やる気」をつくる ── 「自分からやる」意欲を引き出す
82 「サポート」する ── 過干渉にならない支え方
83 一緒に「学校」を決める ── 実績だけで選ばない
84 「自分のスペース」をもつ ── ポテンシャルを伸ばす環境とは?
85 「早寝早起き」をする ── 脳のために十分な睡眠をとる
86 「集中力」をつける ── 集中できるのはせいぜい15分
- SECTION6 体力をつけるには? 「栄養と運動」で脳と体を強くする
- 87 バランスよく「栄養」をとる ── よい食事のシンプルな本質
88 「おやつ」をあげる ── 糖質より脂質に気をつける
89 「朝ごはん」を食べる ── シンプルなパターンをつくる
90 「外食」を楽しむ ── 親子でリラックスできる貴重な機会
91 「好き嫌い」をなくす ── 苦手があるのは自然なこと
92 一緒に「料理」をする ── 五感を育む刺激的な体験
93 「お弁当」をつくる ── 愛情をこめつつ、手間は少なく
94 「旬」を生かす ── 自然のサイクルを食事にとりこむ
95 「惣菜」を活用する ── 塩分と油に注意して賢く使う
96 「免疫力」をつける ── 病気になりにくい体をつくる
97 「体」を動かす ── ケガをしにくい体をつくる
98 「スポーツ」をする ── マルチな競技をのびのび楽しむ
99 「嚙む力」をつける ── よく嚙むと頭も体も強くなる
100 「目」を守る ── スマホ時代にケアすべきこと
子育てで困ることはほぼ網羅されています。
子育てベスト100の口コミ
Twitterでの子育てベスト100の口コミを紹介します。
テレビで特集されて話題に!
育児の合間に読める
押し付けがましくない!
著者の意見ではなく色々なところから集めたものというのに惹かれて
ありそうで無かった画期的で実用的な1冊
全体的に
- テレビの特集が面白かったので読んでみた
- 各項目が短いから育児の合間に読みやすい
- すぐに試したくなる!
なんて口コミが多かったよ
【ピックアップ】○○はどうやって育てる?どうすればいい?
ここからは引用を交えながら、参考になったポイントをいくつかピックアップしていきます。
「子育てベスト100」では、次に紹介するように、
という構造で各テーマが説明されています。
子どもの話、どうやって聞けばいい?
解説部分
子どもは無条件に聞いてもらえることで安心感や落ち着き、自信、認められた喜びを感じます。
~中略~
「家の人にしっかり話を聞いてもらった」と答えた子は、学力が上がる傾向が見られました。
具体的アクション
子どもの話、どうやって聞けばいい?
- 共感する
子どもの立場になって共感しながら聞いてあげる - 否定しない
質問もできるだけ手短にし、話題を変えないようにする - 話の内容をよく確認する
わからないところを聞き流してしまうと、子どもは「話を真剣に聴いてくれない」と感じてしまう - 聞いてあげられる余裕を持つ
子どもの話をしっかりと聞いてあげるには、大人の側も心身ともに余裕が必要
仕事などで忙しく、疲れてしまったときは、できあいのお弁当を買ってきたり出前をとるなどして、なるべくリラックスできる時間をもつようにする
「スキンシップ」をするにはどうすればいい?
解説部分
スキンシップは子どものストレスを軽減して情緒を安定させ、精神的な自立をうながす成長の土台となります。
~中略~
大人になっても他者への信頼や安心感が続き、周囲の人と温かい人間関係を築くことができるといわれています。 さらに、記憶力がよくなり、学習効果が高まり、ストレスにも強くなることがわかっています。
具体的アクション
「スキンシップ」をするにはどうすればいい?
- 子どもが求めてきたら拒まない
スキンシップを拒まれると子どもは不安を感じてしまう - 手をつなぐ
- 頭をなでる
- 肩や背中をポンとたたく
このワンポイント型のスキンシップで、言葉で伝えるメッセージの何倍もの感情が伝わる - ハイタッチする
言葉以上に喜びや感動を共有できる - こちょこちょする
笑うことで情報を伝達する神経回路「シナプス」を増やし、脳の働きをよくする - ハグする
- 効果が高いのは夕方以降
スキンシップを副交感神経が優位になる夕方以降に行なうと、さらに効果が高まる
話を「しっかり」と伝えるにはどうすればいい?
解説部分
大人が「言うことを聞きなさい」と熱心になるほど、子どもはかたくなに抵抗してきます。
~中略~
子どもに本当に伝えたいメッセージが伝わらず、かえって反感を買い、子供の自尊心を傷つけてしまうだけに終わってしまいます。
~中略~
親としては、メッセージを効果的に伝えられるスキルを知っておくと、お互いにストレスが少なく、尊重しあう関係がつくりやすくなります。
具体的アクション
話を「しっかり」と伝えるにはどうすればいい?
- 「ありのまま」を伝える
子どもは、自分の悪いところを指摘されると反抗したくなるので、むしろ、ありのままを伝えて何をすべきかを考えさせるほうが効果的
具体的に起きたことだけを言われた子供は、自分で問題解決の方法を見つけようとする
◆牛乳をこぼしてしまったとき
逆効果:なにしてんの!
効果的:牛乳がこぼれちゃったね
◆ゲームをやめる時間を守らないとき
逆効果:約束を守れないなら、もうゲームする資格なし!
効果的:〇時だけどゲームをやっているのね - 情報を与える
「手伝ってくれたら助かるな」「冷蔵庫に片づけないと腐っちゃうよ」といった、「いまやることがどんな良い(あるいは悪い)結果につながるのか」を情報として伝える - 「一言」で言う
長いお説教をするより、「〇〇ちゃん、靴下!」「ボール遊びは外!」と、一言でビシッと決めるほうが効果的 - 「気持ち」を伝える
何に対してなぜそう感じるのかも具体的に伝える
「忙しいから手伝ってと言ってるのに、誰も手伝ってくれなかったら、ママは怒りたくなるわ」
「仕事が長引いたから夕飯の支度が間に合わなくてパパは困ってるんだ。ニンジンの皮をむいてくれる?」 - 「メッセージ」を書く
すぐに試せるから効果も実践しやすいよ
まとめ:「子育てベスト100」は子どもを持つ親なら一度読んでみるのがおすすめ
「子育てベスト100」についてまとめます。
- 著者が様々なメディアで取材した経験から、子育てに有用な情報だけを抜粋した一冊
- 項目が細かく分かれているので、“今”困っていることをすぐに調べることができる
- 主張の根拠となる情報源(ソース)が明確なので信頼性が高い
- 具体的なアクションまで書いてあるので、すぐに実践できる
100個の中には「数合わせのため?」と思ってしまうような苦しい項目もありましたが、それも子育てに必要な項目をすべて満たすためには必要だったのだと思います。
初めての子育てでいろいろな悩みを抱えている人は、きっと悩みを解決するヒントを見つけることができます。
ある程度子育てを経験した人でも、新しい気づきが必ずあるはず。
子どもに関わる人にはぜひ一度読んでみてほしい、「子育てベスト100」の紹介でした。